第1話 プロメテウスは人間の味方

ギリシャ神話に親しんでいるギリシャやヨーロッパ諸国では、プロメテウスは人気の高い神です。

プロメテウスは人間の創造主であると伝えられています。水と泥をこねて最初の人類を作ったという話もあります。

また、文字、数、火、牧畜、航海などの様々な知恵を人間に教えたのもプロメテウスだと考えられていました。

プロメテウスは人間の味方でした。

そして、ギリシャ神話においては、ゼウスが絶対的な権力を持つ存在ですが、プロメテウスは、人間に罰を与えるゼウスと戦う反逆者でした。

ゼウスは父クロノスたちとの覇権争いに勝利して世界の支配者となりましたが、この戦いの時点で、プロメテウスは、やがてゼウスの時代が来ることを見抜いていたのでゼウス側に加勢しました。

しかしゼウスの言いなりになるつもりは無く、いつか一泡吹かせてやろうと思いチャンスをうかがっていました。

ゼウスが人間界から火を奪って、人間が肉を焼いたり暖炉に火を灯したりできなくなった時は、ゼウスから火を取り返して人間に返しました。

これに激怒したゼウスが、人間の生活をめちゃくちゃにするために「パンドラ」という人類最初の女を人間界へ送った時も、プロメテウスは「ゼウスからの贈り物は受け取ってはいけない」と言いました。しかし、プロメテウスの弟エピメテウスがゼウスの罠にはまり、「パンドラの箱」は開けられてしまうのでした。

第2話 運命の牛肉

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