第6話 ギリシャ神話の黒幕

有名な「ゼウス」は、ギリシャ神話の設定では最も偉大な神です。

この世界が創造されてからゼウスが王になるまでの間に、ウラノス(ゼウスの祖父)→クロノス(ゼウスの父)→ゼウスと政権が交代していきますが、この過程をよく見ると大地の女神ガイアが裏で動いていることが分かります。

ガイアは、夫であるウラノスが我が子をタルタロス(冥界)に閉じ込めたことに激怒し、息子クロノスと結託してウラノスを倒しました。

しかし、クロノスが子どもたち(ガイアから見れば孫)を飲み込んでいったため、赤ん坊のゼウスをクロノスから隠して成人するまで育て、ゼウスはクロノスに吐き薬を飲ませました。

今度はゼウスがクロノスたち(ガイアから見れば子ども)に戦いをしかけたため、ゼウスを倒すべく最強の怪物テュポンを産み、テュポンはゼウスを追い詰めました。

つまりガイアの意志で戦況が変わり政権が交代していたのです。ガイアこそがギリシャ神話の黒幕だったのです。

人間の世界でもこれと似た構図はありますよね。古代ギリシャ人は人間の生活ぶりを神話の脚本に盛り込んだのかもしれません。

しかしそのガイアも降参し、ゼウスが最強の支配者となりました。

これ以降、ギリシャ神話全編を通じてゼウスの体制が続きます。

ゼウス・ポセイドン・ハデスはくじ引きをして、ゼウスが天空、ポセイドンが海、ハデスが冥界を統治することとなりました。地上は全ての神々の共有地としました。

ここまでが、壮大なギリシャ神話のうち、天地創造からゼウス体制の確立までの部分です。

この後から、ゼウスと兄弟姉妹の他、「アテナ」「アポロン」「アルテミス」「ヘルメス」「アフロディーテ」などの「オリュンポス12神」と呼ばれる神々の時代となります。

登場人物に人間も出てくるようになり、女がどうしたとか、ゼウスが浮気をしたとかいう話が中心となります。

知名度の高い「パンドラの箱」「イカロスの翼」「トロイの木馬」「ヘラクレス」「ミノタウロス」「王様の耳はロバの耳」「メデューサに見られると石になる」なども、ゼウス以降の時代の話です。

↑オリュンポスの神々。戦乱が終わり、ラブコメや愛憎劇がギリシャ神話の中心となる。
Abraham Bloemaert “The Feast of The Gods At The Wedding of Peleus and Thetis” (1638)

第2期 オリュンポスの神々の時代

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