ゼウスが世界の支配者になった時、くじ引きによって、天空はゼウス、海はポセイドン、冥界はハデスが統治することとなり、地上は全ての神々の共有地となりました。
アテナイ(現在のアテネ)があるアッティカ地方をアテナとポセイドンが取り合った時、神々は協議して、より人間に役立つ物を生み出せた方が勝ちとしよう、と決めました。
ポセイドンが三又の矛で地面を叩くと泉が湧き出ました。
アテナは地面からオリーブの木を生やしました。
神々は、オリーブの方が利用価値が高いと判定し、アッティカ地方はアテナの土地となりました。
たかがオリーブとあなどってはいけません。オリーブはギリシャのやせた土地や乾燥した気候等の条件下でも栽培が可能であり、オリーブオイルや調味料にもなり、古来よりアテネでは貴重な食糧でした。食用だけでなく、灯油や香油としても用いられ、地中海沿岸の国に輸出されアテネに外貨をもたらしました。そんな重要なオリーブを人間に与えたという神話は、アテナの知性や偉大さを示しています。