ヘラクレスは、ギリシャ最強の英雄と位置づけられています。世界最大のカブトムシ「ヘラクレスオオカブト」や、これに由来する強力なカブトムシのポケモン「ヘラクロス」など、強いキャラクターの名前などに使われたりします。
しかし、ヘラクレスが強いことは有名ですが、ゼウスの正妻であり神々の女王でもある女神「ヘラ」に迫害されたことは知られていません。
ヘラクレスは、ゼウスが人間の女と浮気して生まれた子どもでした。
ヘラクレスが生まれてしばらくすると、ヘラは2匹の毒蛇を出現させて赤ん坊のヘラクレスを襲わせましたが、ヘラクレスは毒蛇を絞め殺しました。
ヘラクレスが成人し家庭を持つと、ヘラはヘラクレスを発狂させて子どもたちを皆殺しにさせました。正気に戻ったヘラクレスは罪滅ぼしのために「ヘラクレスの12の難行」と呼ばれる旅に出かけ、ギリシャ各地を巡って怪物と戦いますが、12の難行も怪物もヘラが仕組んだことでした。
浮気相手の子であるヘラクレスは、生まれながらにしてヘラに迫害される運命を背負っていたのです。
ヘラクレスという名前には「ヘラ」の2文字が隠れています。「クレス」はギリシャ語で「グローリー(栄光)」のような意味で、「ヘラクレス」は「ヘラの栄光」を意味します。ヘラクレスの生涯を通じて、女王ヘラの嫉妬と復讐の炎は燃え続けます。