第6話 アレスの立場

妻アフロディーテがアレスと不倫をしていると知った時、ヘパイストスは憤慨しました。

ヘパイストス:「アレスの野郎、何の技術も知恵も無いくせに…みためがイケメンなだけで!」

アレスはワイルドで容姿は良いですが、知恵は無かったのです。

同じ戦の神でも、アテナが正義のために戦ったり、卓越した知性によって英雄を勝利に導いたりするのに対し、アレスは人間に殺し合いをさせて、その様子を見て楽しんでいました。

アレスのラテン語名は「マルス」で、「火星」はマルスにちなんで「マーズ」です。戦争における火器の使用や血を想起させるためです。

3月は「マーチ」です。古代ヨーロッパでは、3月になり冬が終わると、中断していた戦が再開することがあったようです。

古代ギリシャ人がアテナを特に崇拝したためか、他のオリュンポス12神と比べてもアレスの登場回数は多くありません。アレスがアテナに負ける話もあります。ギリシャ神話では、戦の神なんかが出てこなくても、嫉妬・復讐・誘惑などで登場人物が動き、十分に戦いは起きます。

一方、古代ローマは軍事国家であったため、ローマではアレスの地位は高く、ローマ神話にもよく出てきます。

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