第2話 復讐の椅子

ゼウスの妻でオリュンポスの女王のヘラは、産んだばかりの我が子ヘパイストスを、容姿が醜いという理由で神々の世界から地上の海へ投げ捨てました。

ヘパイストスは、洞窟で物作りの技術を磨き続けました。そして赤ん坊の自分を海へ投げ捨てた母親ヘラに復讐すべく動き出します。

ヘパイストスは華麗なデザインの椅子を作ってオリュンポスの館に送りました。

その椅子はオリュンポスの女王にふさわしいデザインで、ヘラは満足げに座りました。

すると椅子から鎖が現れて、ヘラは椅子に縛りつけられました。

神々が集まってほどこうとしましたが、どうやってもほどけません。

行き詰ったタイミングを見計らってヘパイストスが来て言いました。

ヘパイストス:「私はこの時をずっと待っていた。赤ん坊の私を捨てたあんたに、この手で復讐する日を夢見て、子どもの時からずっと洞窟で腕を磨き続けてきたのだ。謝れ、オリュンポスの女王。」

ヘラ:「わかった。私がわるかった。この鎖をほどきなさい。」

ヘパイストス:「それだけか?私の悲しみに比べれば、こんな鎖ぐらいどうってことないだろう。」

ヘラ:「望みの物を何でも与えよう!だから早く、この鎖を!」

ヘパイストス:「では、オリュンポスの館における正当な地位、それとアフロディーテを嫁にもらおう。」

アフロディーテは全力で拒否しました。

男の神々も受け入れません。

オリュンポスで一番の美女アフロディーテが、どうしてこんな醜い奴に!と誰もが思いました。 

ヘパイストスはますます逆上し、ヘラは鎖にしばられて身動きがとれないままわめき散らし、収拾がつかなくなりました。

最終的にヘラがヘパイストスの要求を飲み、美の女神アフロディーテと神々の中で唯一醜い容姿のヘパイストスという組み合わせが生まれました。

しかし、不釣り合いな結婚生活は上手くいくはずがありませんでした。

アフロディーテは不倫を繰り返し、ヘパイストスはコケにされ、復讐し、人間も巻き込まれてとばっちりを受け、争いが続くのでした。

第3話 浮気現場のベッド

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