英雄ペルセウスは、見たものを石に変えてしまう怪物メデューサを退治し、メデューサの首を持って母ダナエの暮らす島へ向かいました。
帰り道で、アンドロメダという美女が海の怪物に襲われていましたが、ペルセウスはメデューサの首を見せて怪物を石にして退治しました。
ペルセウスがアンドロメダを連れて島へ帰ってくると、ペルセウスの母ダナエが島の暴君ポリュデクテスとその一味に囲まれていました。ここでもペルセウスはメデューサの首を使って敵を石にして倒しました。
ペルセウス:「ポリュデクテス王!これを見ろ!約束通りメデューサの首を取ってきてやったぞ!」
ペルセウスの神話では、メデューサは大活躍でした。
メデューサも悪役も退治し、ペルセウスとアンドロメダは結婚。ハッピーエンドと思えましたが、ペルセウスの物語にはまだ続きがありました。
そもそもペルセウスとダナエが島で暮らしていたのは、ギリシャ本土からエーゲ海を漂流してきたからでした。
十数年前、ギリシャ本土のアルゴスという都の王様は、「娘が産む子どもに滅ぼされるだろう」という予言を恐れて、一人娘ダナエと生まれたばかりの赤ん坊ペルセウスを木箱に入れて海に流しました。そして今、立派な青年に育った英雄ペルセウスが帰ってきます。
ペルセウスは、母ダナエと妻アンドロメダを連れて、ギリシャ本土の故郷アルゴスへ帰りました。
後日、アルゴスから離れたテッサリアという地域で陸上競技会が開催され、ペルセウスはテッサリアまで行って円盤投げに参加しました。
ペルセウスが力一杯円盤を投げると、円盤の飛んでいく方向が変わり、近くにいた老人の頭に命中しました。即死でした。
これがアルゴス王でした。ダナエとペルセウスを木箱に入れて海に流したアルゴス王です。ダナエとペルセウスが帰ってくると聞いて、アルゴスから亡命して来ていたのでした。
アルゴス王の運命は、「娘の産む子に滅ぼされる」という予言の通りになりました。
ばちが当たったのかもしれません。たとえ神の予言に逆らってでも子どもを大事にした方がよかったのかもしれません。
予言の実現でペルセウスの物語は終わります。
この後、ペルセウスとアンドロメダの子孫から、新たな英雄「ヘラクレス」が生まれます。