トリトンはポセイドンの息子です。上半身は人間の子ども、下半身は魚で、ホラ貝の笛を吹くと嵐を起こすことができました。
ポセイドンの知名度は高いですが、トリトンもそれなりの知名度です。
ローマの観光名所「トレヴィの泉」には、ポセイドンとトリトンの彫像があります。ルネサンス期以降、ヨーロッパの噴水にはポセイドンとトリトンの像が設置されることが多くなりました。
北海道には「トリトン」という回転寿司チェーンがあります。東京にもスカイツリーと池袋に店舗があります。
東京の晴海には、「晴海トリトン」という大きい商業施設があります。
ディズニー映画の古典「リトルマーメイド」の主人公の父親の名前もトリトンで、ポセイドンの息子という設定です。
手塚治虫の名作「ブラックジャック」では、ブラックジャックは岬に診療所を建てますが、ブラックジャックの最初の患者の名前はトリトンです。トリトンは人間ではなく野生のシャチでした。傷だらけの状態で浜辺に打ち上げられたシャチをブラックジャックが発見し、「おまえさんが私の最初の患者だ」と言ってドラマが始まります。
余談ですが、ブラックジャックのトリトンの話はおもしろくて、約20分の短編アニメですのでおすすめです。
ギリシャ神話でポセイドンが登場するエピソードには、不気味な怪物がよく出てきます。現代ほど航海や気象予測の技術が発展していなかった古代ギリシャの時代には、海は危険で不気味であったという実態が神話に反映されています。
古代ギリシャ人を恐怖のどん底に陥れた海の神ポセイドンとトリトンは、今ではエンターテイメントのモチーフとなり人々を楽しませています。