アルテミスはアポロンの双子の妹です。狩猟の女神でもあり、弓矢の女神でもあります。
いつも山や森の中でニンフ(女の妖精)を連れて狩りを楽しんでいました。
アルテミスは純潔の女神でもあります。
男とは交わらないと決め、ニンフたちにも処女であること徹底して守らせました。
ゼウスがカリストというニンフと交わって妊娠させてしまった時は、お腹が大きくなったことで妊娠に気付き、「男と交わったな!汚らわしい!」と叫んでカリストを追放しました。
カリストはヘラの復讐の標的にもなりました。
ヘラは、カリストが出産した子どもを熊に変えました。
そしてカリストは、熊と化したわが子に襲われました。
最後はゼウスがカリストとその子どもを星座にしました。大熊座と子熊座です。
純潔の女神アルテミスの餌食となった人間もいます。
ある日、アルテミスは森で水浴びをしていました。そしてたまたま通りかかったアクタイオンという狩人に裸を見られてしまいました。
男に裸を見られた羞恥心と屈辱から、アルテミスはアクタイオンを鹿に変え、アクタイオンが連れていた50匹の猟犬をけしかけて惨殺しました。

ニオベという王女が、「レト(アポロンとアルテミスの母)が産んだ子はアポロンとアルテミスの2人だけだ。私の方が多くの子宝に恵まれた。」と言った時には、レトの言いつけによって、アポロンとアルテミスはニオベの子どもを全員射殺しました。ニオベは悲しみのあまり岩になって涙を流し続けていると言います。この岩は今のトルコにあります。
古代ギリシャ人は、出産で女性が亡くなると、アルテミスの矢に射られたのだと考えました。
伝染病などで女性が亡くなった場合も、なぜ死んだのか分からず、アルテミスの矢に射られたと考えました。 アルテミスは、月や弓矢の清らかなイメージが強く、さらに処女神とか言っていますが、案外恐ろしい女神なのです。