第1話 始まりはカオス、ガイア、そしてエロス

古代ギリシャの人々にとって、ギリシャ神話は娯楽の一つでした。屋外の大劇場で演劇や祭りが行われ、人生の真理や人間の欲望・愛憎・復讐といったドロドロしたテーマが多く語られました。

そんなカオスなギリシャ神話によると、この世界は「カオス」から始まったと言います。

何も存在しない「無」から「カオス」が発生し、次に「カオス」から「ガイア」と「エロス」と「タルタロス」が発生しました。

・ガイア

ガイアは、大地を擬人化した女神ですが、大地そのものとして現れる時もあります。「母なる大地」「農作物が育つ場所」「人間や神々などの全ての生物が活動する物理的な土台」のようなイメージです。

そのため、大地にちなんだキャラクターが「ガイア」と名付けられることがあります。「ウルトラマンガイア」は、主人公が大地から力を授かって誕生しました。「ジオロジー(地理)」の語源もガイアです。

「ガイアの夜明け」というテレビ番組のように、「新しい時代や世界の始まり」のイメージに用いられることもあります。

・エロス

愛の国ギリシャの神話において、「エロス」は単なるおまけではありません。

この世界の発生源である最初の神「カオス」、そして全ての活動の土台となる「ガイア」と並ぶ神として「エロス」が位置付けられているところが、何ともギリシャらしいと言えます。

なお、「エロス」という言葉は、古代のギリシャ語では、男女がどうしたという話とは無関係に「万物を創造する原動力」といった意味でも用いられました。

初期のギリシャ神話では抽象的な概念だったエロスですが、何世紀も語り継がれるうちに設定が変わっていき、ハートの弓矢を持った幼児のキャラクターとして描かれるようになりました。エロスの英語名は「キューピッド」です。恋のキューピッドも冷蔵庫にいるキューピーマヨネーズもギリシャ神話なのです。

↑エロスが5羽
Triumph of Galatea ラファエロ・サンティ 1512年
↑抱き合う二人の後ろにエロス
ジャン=レオン・ジェローム作 ピグマリオンとガラテア 1890年

・タルタロス

タルタロスは冥界(死後の世界)です。日本の昔話なら地獄に相当します。核兵器や原子力発電に使われる「プルトニウム」の語源である「プルトン(英語名はハデス)」が統括します。「ケルベロス」「オルフェウスの竪琴」「タナトス」などの有名なエピソードがいくつかあり、芸術や漫画やゲームでモチーフとしてよく用いられます。

カオス・ガイア・エロス・タルタロスの4神は原初神と呼ばれます。

原初神の誕生後、ガイアを土台としてエロスが作用することで、山・海・天空・時間・昼・夜・闇・・・などが生まれ、神話を展開する舞台が整います。

ストーリーの鍵を握る登場人物は、「大地の女神ガイア」と「天空の神ウラノス」です。

↑アテネのディオニュソス劇場:17,000人を収容。古代ギリシャで演劇が上演された。
“2007 Greece Athens Theatre of Dionysus Eleuthereus.jpg” by Nicholas Hartmann(Licensed under CC BY SA 4.0)

第2話 天空の神ウラノスの時代

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