第2話 天空の神ウラノスの時代

「天空の神ウラノス」と「大地の女神ガイア」が夫婦となり、ウラノスが世界の支配者となりました。

ウラノスとガイアの間には、12人の子どもが生まれました。この12人は巨人で、「ティタン神族」と呼ばれました。英語読みは「タイタン」で、映画化された有名な全長269mの豪華客船「タイタニック号」はタイタンに由来します。

ティタン神族の次に、キュクロプスという子どもが3人生まれました。英語では「サイクロプス」で、「一つの丸い目」という意味です。その名の通り、キュクロプスは一つ目の怪物で、3人とも巨人でした。

次にヘカトンケイル(「百本の手」という意味)が3人生まれました。これも名前の通り手が百本あり、3人とも巨人でした。

ウラノスは、実の子どもであるキュクロプスたちとヘカトンケイルたちを気持ちわるがってタルタロス(冥界)へ閉じ込めてしまいました。ウラノスは独裁者でした。核兵器のウランの語源はウラノスです。

夫の仕打ちに激怒したガイアは、ウラノスへの復讐を誓い、素晴らしい計画を立てました。

その日の夜、ガイアはいつものようにウラノスと交わりを始めました。

ウラノスが油断しているところを狙って、末っ子「クロノス」が乱入し、切れ味の鋭い巨大な聖なる鎌で父ウラノスのいちもつを斬り落としました。ガイアが事前に鎌をわたしておいたのです。

力を失ったウラノスに代わって、クロノスが世界の支配者の座に着きました。

クロノスは高らかに勝利を宣言し、ウラノスのいちもつを投げ捨てました。

天から降ってきたウラノスのいちもつは海に着水し、泡が吹き出し、美と愛の女神「アフロディーテ」が誕生しました。アフロディーテは泡に保護されてエーゲ海を漂流しました。「アフロディーテ」とは「泡から生まれた女」という意味で、別名ビーナスです。「ミロのビーナス像」は1820年にエーゲ海のミロス島で発掘されました・・・

どうでしょう。第2話にして衝撃の展開ですが、ギリシャ神話が愛憎劇や復讐劇で展開されるカオスなエピソード群であることが分かると思います。

しかし、イカれた話もありますが、その分親しみやすいですし、寓意に富んだ話や座布団を一枚あげたくなるような完成度の高い話も多いですので、詳しい本で読んでみてください。

↑クロノスがウラノスを倒す場面
ジョルジョ・ヴァザーリ「クロノスに去勢されるウーラノス」1560年
↑エーゲ海を漂うアフロディーテ(ヴィーナス)
アレクサンドル・カバネル「ヴィーナスの誕生」1863年

第3話 子どもを飲みこむクロノス

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