アテネはギリシャの首都であり、ギリシャ最大の都市でもあります。
1896年の第1回近代オリンピックと2004年の夏季オリンピックはアテネで開催されました。
パルテノン神殿があるのもアテネです。
アテネは昔は「アテナイ」という名前でした。「女神アテナの都」という意味がこめられています。
アテナはギリシャ神話の中でも登場回数が多く、知名度が高い女神です。
その誕生から始めて、アテナの有名なエピソードを一部紹介します。
・知恵の女神
ゼウスは、ヘラと結婚する前、メティスという女神と結婚していました。
メティスは、ゼウスの兄弟たちが父クロノスに飲み込まれていった後、吐き薬を飲ませるよう助言した女神です。
「メテ」はギリシャ語で「知恵」「考える」という意味で、メティスは知恵の女神です。変身術も得意でした。
そんなメティスにゼウスは知恵比べを挑みます。あれに化けてみよ、これに化けてみよ、と次々と難題を出しましたが、メティスは見事に変身してみせました。
ゼウス:「確かにすごい能力だ。しかし、いくら変身が得意なお前でも、たった一粒の水滴に化けることは物理的に不可能だろう。」
メティス:「ふふ。私の能力を甘く見るな。水滴に化けるなどたやすいことだ。」
メティスは見事に水滴に化けました。
しかしゼウスの方が一枚上手でした。ゼウスは、水滴に化けたメティスを飲み込んでしまったのです。
これ以降、メティスはゼウスの体内で生き続け、ゼウスに知恵を授けるようになりました。ギリシ
ャ神話全編を通じてゼウスが上手く立ち回れたのは、メティスの力が大きいのです。
一方、メティスの子どもはゼウスの体内で成長していました。
ある日、ゼウスは激しい頭痛を感じ、プロメテウスを呼んで頭をかち割るように言いました。プロメテウスが斧でゼウスの頭をかち割ると、鎧や槍で武装したアテナが誕生しました。
アテナは、母メティスの力を受け継いだ知恵の女神でもあり、戦と勝利の女神でもありました。ペルセウスやオデュッセウスなどの英雄が冒険している時に現れて知恵を授け、戦いでは勝利へと導きます。 また、アテナは女神の中でもかなりの美女でしたが、ヘラやアフロディーテと異なり処女神で、男の神とも人間の男とも交わることはありませんでした。アテナを祭るパルテノン神殿は「処女の神殿」といった意味です。